1週間の主な実績(2026年4月25日〜5月1日)
-
2026.5.1
-
<この1週間の主な実績>(2026年4月25日〜5月1日)
美里町(宇城圏域)で開催された5課協議に出席しました(宅島、小篠)
八代市で相談支援専門員が主催した防災さんぽに参加しました(宅島、小篠)
熊本県障がい者支援課と打ち合わせを行いました(宅島、小篠)
宇城圏域の保育園を訪問支援しました(大橋、岡)
菊池圏域の小学校を訪問し会議に出席しました(大橋)
芦北圏域の小学校を訪問し会議に出席しました(宅島、小篠)
熊本大学医学部医学科5年生の3名を対象に小児在宅医療シミュレーション実習を行いました(大橋、小篠)
<「防災さんぽ」は“医療的ケア児の防災”を少しずつ変えていく取り組みです>
「防災さんぽ」は、医療的ケア児の防災において、実際に“動ける状態”をつくることを目的とした取り組みです。心理(不安)、身体(移動)、関係(地域)、制度(行政)といった複数の要素を同時に動かすことで、防災を「知っていること」から「できること」へと変えていこうとしています。これは単なる訓練方法の工夫ではなく、「医療的ケア児の防災とは何か」という前提そのものを見直す試みでもあります。以下、心理(不安)、身体(移動)、関係(地域)、制度(行政)の順に解説します。
まず心理の面です。医療的ケア児の防災で最初の壁になるのは、「怖い」「無理かもしれない」「できる気がしない」という感覚です。従来の訓練は、この不安を抱えたまま実施されることが多く、なかなか行動につながりませんでした。防災さんぽでは、あえて「訓練」という言葉を使わず、「おさんぽ」という形にしています。日常の延長として取り組めるようにすることで、心理的なハードルを下げています。そして、まずは小さくても「できた」という体験をつくる。この積み重ねが、不安を安心へと変えていきます。
次に身体の面です。人工呼吸器や吸引、電源のことを考えると、頭の中だけで想像すると「難しい」と感じてしまうのが現実です。そこで、防災さんぽでは実際に外に出て動いてみます。歩いてみることで、「ここまでは行ける」「ここは工夫が必要」「この支援があれば動ける」といったことが具体的に見えてきます。漠然とした不安が、現場で対応できる課題に変わっていきます。
さらに関係性の面です。これまで防災は、ご家族だけで抱え込まれてきたケースが少なくありません。実際に参加されたご家族からも、「助けてと言えなかった」という声がよく聞かれます。防災さんぽでは、地域の方、学校、事業所、行政など、さまざまな立場の方と一緒に歩きます。一緒に動くことで、お互いの状況が見えるようになり、「何が必要か」「どう関わればいいか」が自然と共有されます。こうして、“顔の見える関係”が少しずつできていきます。これは災害時に機能する支援の土台になります。「地域防災」の中で医療的ケア児のことも考えていくための第一歩となります。
そして制度の面です。医療的ケア児の防災は、個人の努力だけでは限界があります。制度とのつながりが非常に重要です。防災さんぽでは、現場で見えた課題を個別避難計画に反映し、さらに地区防災計画〜地域防災計画へと広げていくことができます。また、実際の体験がきっかけとなって制度が動くこともあります。熊本県八代市や宇城市では、行政の方が防災さんぽに参加したことで人工呼吸器装着児者の災害対策の必要性を実感し、ポータブル電源補助の事業化につながりました。現場の体験が、そのまま制度の変化につながった例です。
「防災さんぽ」の取り組みのポイントは、「正しいことを伝えること」ではなく、「自然と行動が起こるように設計すること」にあります。「必要だからやりましょう」だけでは、人はなかなか動きません。防災さんぽは、「やってみよう」と思える形をつくることで、行動のきっかけを生み出しています。
そしてもう一つ大切なのは、この取り組みが現場から始まっているという点です。制度から降りてきたものではなく、現場の実践からスタートし、それが地域や行政へと広がっていく。この流れがあるからこそ、無理なく続き、現実に合った形で広がっていきます。
防災を「特別なもの」にするのではなく、日常の中に少しずつ取り込んでいく。その入口として、防災さんぽはとても有効なアプローチです。支援者の皆さまと一緒に、この「動ける防災」を少しずつ広げていければと思います。
<熊本大学医学部医学科5年生 小児在宅医療シミュレーション実習>
熊本大学医学部医学科5年生が臨床実習の一環として小児在宅医療支援センターに来訪し、重症心身障がい児の3歳の在宅人工呼吸管理のこどもの自宅に訪問診療医として訪問し、本人・父母や5歳のきょうだいとコミュニケーションを取りながら胃瘻交換、気管カニューレ交換する実技を学びました。胃ろうボタン・気管カニューレ、在宅人工呼吸器・排痰補助装置の取り扱い方法など医療技術面だけでなく、重症心身障がい児に関わるにあたりどのような医師であれば本人・家族が話しやすいか、などコミュニケーションを重視した実習を行っています。
<2026年度の方針>(再掲)
これまで通り小児期に発症した疾患・怪我等による医療的ケア児等(医療的ケア児者・重症心身障がい児者)を支援対象とします。
個別ケース(保育所等・小学校等への就園就学など)については医療的ケア児支援法に基づき市町村で対応していただきます。
市町村(1次対応)や圏域(2次対応)で対応が難しい案件については引き続き当センターが3次機関として市町村に対し対応方法の助言等の協力を行います。
県が示す「市町村の主な役割」である- 医療的ケア児等の退院支援
- 保育所等への就園支援
- 小学校等への就学支援
- 障がい福祉サービス導入支援
- 就労支援等の卒業後の支援
- 災害対策支援
の6項目について市町村での体制整備を進めるため、市町村で5課協議、市町村・圏域での医療的ケア児等支援検討協議会が開催される際には当センターもオブザーバーとして出席し助言等の協力を行いますのでお声かけください。
※5課協議・・・母子保健、障がい福祉、保育、教育、危機管理防災の各担当課の協議。これまで当センターは20を越える市町で5課協議(4課協議を含む)に出席歴あり。
(文責 副センター長 小篠史郎)
写真 八代市で相談支援専門員が主催した防災さんぽ


写真 5課協議に出席した美里町役場中央庁舎


