2024年2月29日のスタッフ動き(熊本大学医学部医学科4年生に小児在宅医療実技指導)
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2024.2.29
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熊本大学医学部医学科4年生臨床実習Z班5名に小児在宅医療実技指導を行いました(小篠)
医学生が訪問診療医役、ご家族役に分かれ、訪問診療医として常時人工呼吸器装着児の自宅に訪問し、対話しようとしても反応がわかりにくい重症心身障害児と家族の両方にコミュニケーションを取りながら胃ろう交換と気管カニューレ交換の実技を行いました。4年生の臨床実習期間中は毎週4-5名の小グループでコミュニケーションを重視した小児の訪問診療のシミュレーションを行っています。重症心身障がい児者に特有の気管軟化症である「腕頭動脈気管圧排」による窒息発作や病態の動画も交え講義を行います。
今回の医学生はご家族役の中に「兄」役がいました。シミュレーションを行った後の振り返りで、訪問診療医役から「きょうだいにはどんなふうにコミュニケーションを取ったらいいんだろうと思いました」と感想がありました。きょうだい支援の考え方は講義していませんが、自ら課題を発見したのです。「いいことに気がつきましたね。きょうだい支援は小児在宅医療の分野で大きなテーマのひとつです。もしきょうだいが同伴しているときにはきょうだいひとりひとりの名前を聞いておいて、次また会ったときにはお兄ちゃんではなく◯◯さんと名前で呼ぶようにするとよいです。私はあなたも見てますよ、という非言語メッセージが伝わります」と私から返しました。
医学生たちが将来医師になって全国に散らばり、「あのとき経験したな」とこの日のことを思い出して小児の訪問診療に抵抗なく対応してくれる10-20年後の未来が楽しみです。
文責 小篠史郎
熊本大学医学部医学科4年生に小児在宅医療実技指導