お知らせ

2023年12月16日のスタッフ動き(学校看護師の交流会)

2023.12.17

 

熊本県看護協会主催の「医療的ケア看護職員交流会」に熊本県教育委員会とともに参加し、「学校における医療的ケア児への支援」と題して講演しました(小篠、宅島、勝間田)

 

熊本県看護協会主催のこの交流会は企画段階から熊本県医療的ケア児支援センターとして講師選定などに協力してまいりました。いわゆる学校看護師のことを文部科学省は学校教育法施行規則において「医療的ケア看護職員」として定義しています(学校教育法施行規則の一部を改正する省令の施行について 3文科初第861号 令和3年8月23日)。今回は所属が小中学校・特別支援学校問わず22名の熊本県内全域の医療的ケア看護職員にお集まりいただき講演やグループワークがありました。小篠の上記講演以外に「熊本市立学校における医療的ケア児への対応」や「熊本県立熊本かがやきの森支援学校における医療的ケア児への支援」と題して、いずれも指導的立場の看護師による講話があり、私自身が大変勉強になりました。私からは主に下記文部科学省の資料を中心にお話しました。

小学校等における医療的ケア実施支援資料~医療的ケア児を安心・安全に受け入れるために~(文部科学省 令和3年6月)

学校における医療的ケアの実施に関する検討会議(最終まとめ)(文部科学省 平成31年2月28日)

講演の中で「医療的ケア児の教育において養護教諭がキーパーソンである」と養護教諭のことを強調しました。その中で下記の通り発刊されたばかりの「医療的ケア児の健康管理における養護教諭の役割」という書籍の紹介も行いました。「養護教諭に求められるコーディネーター機能」や「保健室は養護教諭と医療的ケア看護職員の情報共有の場」といった以前から小篠も強調している金言が散りばめられていておすすめです。よろしければ御覧ください。

医療的ケア児の健康管理における養護教諭の役割: 教育・保健・医療・福祉の協働を目指して(誠信書房 令和5年11月)

第1章 学校教育における医療的ケアの法制度
第2章 医療的ケア児の健やかな成長を目指した包括的支援
第3章 医療的ケア児への健康管理における養護教諭の実践
第4章 医療的ケアを行う教員等と養護教諭の連携
第5章 医療的ケア看護職員の職務理解と連携
第6章 医療的ケア児とその家族に対する支援

 

小中学校の医療的ケア看護職員は1名配置のことが多く孤立しがちです。看護師からの要望もあり、小児在宅医療支援センターが開設された7年前からこうした医療的ケア看護職員向けの研修会〜交流会を企画していたのですが様々な理由で計画が頓挫してきました。今回、熊本県看護協会や熊本県教育委員会のご尽力のおかげさまで数年来の開催の夢がやっと叶いました。本当にありがとうございます。

医療的ケア児を学校で教育する。この目的のためには看護師を配置し看護師研修を行うだけでは不十分です。看護師以外の全ての教職員が医療的ケア児について一定の知識を持っておくことと、直接関わる担任教員や管理職、養護教諭、特別支援教育コーディネーターについては特に詳しい医療的ケア児の知識を持っておく必要があります。熊本県医療的ケア児支援センターは「4課協議」という会議体に出席する形で県内各市町村に巡回しています。そこに市町の教育委員会も参加されますので、その際に市町村立学校教職員向けの医療的ケア児の教育体制の理解を深めるための研修会について引き続き相談してまいります。

今後も熊本県看護協会、熊本県教育委員会、各市町村教育委員会と連携し医療的ケア看護職員を含む全ての学校教職員向けの研修会の開催を計画してまいります。

 

文責 小篠史郎