献本御礼「透明人間 Invisible Mom」 写真・文 山本美里(タバブックス)
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2023.12.13
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2023年4月23日に写真展のためお越しいただいた写真家の山本美里さんが写真集を出版されることになり献本いただきました。
添えられた山本さんからのお手紙には「医療的ケア児の母として特別支援学校の保護者控室でただ1日が過ぎていくのを待っているだけの毎日に辟易していた頃、私は写真に出会いました。(一部抜粋)」と思いが綴られています。こうした思いの中から自身が透明人間のようだと感じられ、写真展・写真集のタイトルにされています。
子どもが学校に登校するために親が学校で待機していかければならない。熊本ではそうしたいわゆる「学校生活における保護者の付き添い」はゼロではなにしても最小限に抑えられています。全国的にはまだまだ「学校生活における保護者の付き添い」は残っているようです。令和3年度の文部科学省調査(下記詳細)では、「学校生活における保護者の付き添い」率は小中学校等において30%、特別支援学校において6%というデータでした。
文部科学省は医療的ケア児の保護者の付き添い問題について「学校生活における保護者の付き添い」「登校時における保護者の付き添い」に分けて分析しています。全国の特別支援学校において24%の医療的ケア児がスクールバス等で通学しているとのデータが出ています。つまり全国データでは「登校時における保護者の付き添い」は76%と依然として高い割合です。熊本においては「登校時における保護者の付き添い」はごく一部の例を除きほとんど手つかずの状態で残っており、一部の都道府県で当たり前のように行われている「スクールバス等による医療的ケア児の登校」など、これから考えていく必要があります。
山本さんに献本いただき、熊本や全国の学校における医療的ケア児の保護者付き添い問題について改めて考える機会になりました。
献本いただきありがとうございました。
文責 小篠史郎