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【公開資料】気管カニューレの全長の計算方法と吸引カテーテル挿入長の考え方
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気管カニューレを挿入している小児では吸引カテーテルの挿入方法について成人とは異なる考え方が必要です。例えば挿入長についても成人では気管カニューレの内径が大きいため気管カニューレ先端の痰固着による完全閉塞のリスクが極めて低いですが、小児では内径が小さく、また加湿が不十分になる傾向があるため、成人と比べ気管カニューレ先端の痰固着による完全閉塞から生命の危機のリスクが相対的に高いです。一方で吸引カテーテルを気管カニューレ先端から出す吸引は、気管粘膜を傷つけるリスクがあることは成人でも小児でも共通です。小児の吸引カテーテルの挿入の長さを決定するには腕頭動脈との位置関係、気管カニューレ先端角度と気管が並行になっているか、気管カニューレ先端付近に肉芽やびらんがないか、気管カニューレ先端が閉塞した場合の生命の危険度はどれくらいか(常時人工呼吸器装着児では極めてリスクが高いと判断)、など総合的に勘案し看護師に気管カニューレ挿入長を指示します。指示受けする看護師もこうした考え方を知っておいて、医師に「なぜこの挿入長なのか」質問できる知識を持っておくとよいです。少なくとも今自分が挿入している長さは気管カニューレ先端から出ているのか出ていないのか、出ているとすれば何cm出ていて、それは腕頭動脈との位置関係はどうなっているのか、そうしたイメージを持ちながら吸引してほしいと願っています。
以下の解説動画・解説資料をご覧になって「気管カニューレの全長の計算方法と吸引カテーテル挿入長の考え方」を考える機会となれば幸いです。
2025年10月13日 副センター長 小篠史郎